「不登校で病院に行くかどうか」については、色々と意見が別れるところだと思います。
特に精神科や心療内科の受診は未経験者にとって敷居が高く、我が家は何年も悩みました。
明日平は、中1の終わりから児童精神科でお世話になっていますが、不登校がきっかけではありませんでした。
たまたま不登校になる2か月前の1月に、既に児童精神科の思春期外来に予約を取ってあったのですが、結果的に不登校の始まりと同時期の受診となりました。
明日平の強迫観念と感覚過敏がマックス状態になって生活に支障をきたすようになり、やむなく児童精神科に予約を取ったかっこうです。
もっと早く受診させていればよかったのかな、と当時かなり落ち込みましたが、精神科に行くと投薬もありうるので、それがどうしても不安でなかなか勇気が持てませんでした。
病院受診の迷いや不安・罪悪感(保護者の側の)、そこからどう心の整理をつけたかについて初診日のお話とからめたのが今日の記事の内容です。
子供の心を扱う専門機関はなかなか予約が取れない。
あちこち検索して見つけた病院に予約の電話をしてみると、診察まで何と3か月待ち(😲!)。
で、1月中旬の時点で取れた予約は、なんと4月下旬でした。
かつて通っていた児童相談所も初回まで2か月かかりましたが、児童精神科は更にその上をいく3か月もかかり驚きました。
子供が学校を休み始めた時ただならぬものを感じて、予約済みの児童精神科に電話で相談したところ、キャンセルで空いた枠ができ次第連絡をもらえることになりました。
春休み中ずっと家にこもって苦しみ続けてるのは可哀そうで、なるべく早くに診てもらいたいと毎日念じていたら、4月明けてすぐにキャンセルが出て診ていただけることになりました。
初診は書くことが多かったり診察が長くて大変!
初診の日は、「最初に記入するものが沢山あるから予約の1時間前に来るよう」に言われていました。
子供の成育歴や生活歴など事細かに書く問診票や、YES・NO形式で答える質問票など、盛りだくさんで…。
近年パソコンやスマホでばかり字を書いているし、頭も手も使ってなかったので、書類書きは疲れました~😅
初診日より前にも、当日言い忘れがないよう前もって色々メモをとっていたので、それもあってしんどかったです。
で、待合で記入した書類をもとに保護者が診察をまず受けるのですが、子供はその間個別ブースで木の絵を描くように言われていました。
元々、家の瓦一枚一枚や服の縫い目など、一切の妥協なく忠実に描写する子です。
写生に行った先に自動販売機があったら、自動販売機の中の飲み物の並びや値段まで記憶して、後日忠実に再現しようとしたり…。
(建物の絵を描きに出向いたのに、なぜか一人だけ自動販売機メインに描いてるとか…🤣)
手先が不器用なので書く絵は下手っぴなのが残念ですが(笑)、ちょっと山下清っぽいところが昔からありました。
(この記憶力の理由は、後々のWISCⅣで明らかになります。)
この日も予想通り葉っぱ1枚1枚しっかり書き込んでいたようで、異様に時間がかかっていて何度も臨床心理士さんが様子を見に行ってました🤣
だいぶ後で知ったのですが、これは『バウムテスト』っていうそうですね。
今となっては理由はちょっと分からないのですが、描いた絵を親は見せてもらえなくて残念でした。
この後明日平は、ほかにもいくつかちょっとしたテストを臨床心理士さんと一緒にしたようです。
明日平も「病院って大変。めっちゃ疲れた😫」と言ってました。
緊張の精神科診察初体験
私達が行ったのが「児童」精神科だったからかもしれませんが、病院は明るく落ち着いた雰囲気で想像していたのとは全く違いました。
先生もとてもやさしい先生で、かなり時間を取って聞き取りをしてくださいました。
時々、「あ~、そういうのあるあるですね🤣」とか、「それは大変でしたでしょう😯」とか共感して下さったのが、あの時の私にはとてもありがたい対応でした。
なんせ今まで学校から、神経質な子供と大げさな母親としか思われてこなかったので…。
で、一通りの聞き取りが終わった後、
「今日お聞きした中で、明日平君の今一番の困りごとは何ですか?」
と質問されました。
その時一番困っていたのは、潔癖と家族を巻き込んでのエンドレス確認儀式だったので、そう答えました。
ここでもし「不登校」と答えると、また違った展開になったかもしれませんが、うちは「強迫性障害」の治療をメインに進めていくことになりました。
病気や障害を診断されて薬で治療するのが精神科だと思い込んでいたので、「今一番困っている事からまず解決していきましょう。」と言われて嬉しかったです。
当時、もう頭の中がゴチャゴチャになっていて、何から手を付けてよいのやら、何が一番の優先なのやら分からなくなっていましたが、
「子供本人が今一番困っていること」
から取り組んでいくのだな、と道筋が見えて、ホッとしたのを覚えています。
覚悟を決めて予約から準備から何から何まで結構大変でしたが、これならもっと早く来ればよかったと後悔しきりでした。
ただ一つ、ショックだったことがあります。
それは、強迫の症状が始まった小学4~5年生の時代の聞き取りの時に、「初発から3年かぁ~」と先生がつぶやかれたことです。
私が「?」という顔をすると先生が、「その時点で受診することは考えなかったのですか?」とおっしゃいました。
一応、地元の小児科で相談して漢方を処方していただいていたお話をしたんですが…。
思い返してみたら、当時の小児科の先生は「不安を抑えてくれるお薬を飲むという選択肢もありますよ。」とそれとなく勧めて下さってたなぁ~と。
その時点で、まだ抗不安薬を子供に飲ませる決心がつかずお断りしていました。
それを聞いて、「強迫性障害はね、早く治療を始めれば始めるほど効果的なんですよね~」と言う先生。
マジかー!投薬治療をさせるのはしのびないとか、不安とか、そういうのがあってなかなか決心できずにいたのですが…。
もっと早くに治療を始めた方がよかったのかもしれない、私が間違っていたのかもしれない、と罪悪感でいっぱいになってしまいました😫
精神科に行くかどうか。迷いや不安、罪悪感をどうするか。
これが今日のキモというか、まとめのお話になります。
後日、学校にカウンセリングに行った時、上記の後悔と罪悪感を打ち明けました。
するとカウンセラーのK先生は
「お母さんは、小学校時代お薬を勧められた時、明日平君に飲ませようと思いましたか?」
「いいえ。その時はまだ決心がつきませんでした。」
「もしその当時の段階で、治療は早い方が効果があると教えてもらえていたら、積極的に治療に行きましたか?」
「う~ん、どうでしょう。不安でいっぱいで迷っただろうし、あの時は家族と学校で協力して環境を整えて改善したいと思っていました。」
「ご自分で色々努力されて、何年も悩んで、”今”病院に行こうと思われたのですよね。」
「はい。」
「では、”今”こそが病院に行くタイミングだったんじゃないでしょうか。」
「行かないといけないのに、行きたくなかったであろう私は間違っていますか?」
「せねばならない、というよりも、そうしたいかどうかが大切だと私は思います。」
「明日平君のことを考えてそう決断されたのですよね。」
「はい。でも受診が遅すぎて取り返しがつかなかったら明日平に申し訳なかったです。」
「納得して動いた”今”だからの結果であって、そこにいい悪いはないのではないでしょうか。」
これ以後、節目節目で「せねばならないかどうか」より「自分がそうしたいかどうか」という判断基準が私の中に出来上がりました。
明日平から悩みを相談される時も、明日平がそれをしたいかどうか、明日平が納得できるかできないか、問うことにしています。
失敗すること、やって後悔すること、人生多々ありますが、義務感からやったことと、自分の意思でやったことでは、自分の中に残る感覚が違うな、と実感しています。
最初にも言いましたが、精神科を受診するかどうか迷っておられる方は多いと思います。
もしお子さんを精神科に受診させるかどうか迷って判断つかずにいる方がおられたら、「”今”自分はそうしたいかどうか」自分の心の声を聴いてみられることをお勧めします😘
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。